Step3 図形を編集・レイアウト

色を着ける

[フィル&ストローク]を使って色を設定する

コマンドバーをクリックすると[フィル&ストローク]ダイアログボックスが開きます。

着色したいオブジェクトを選択後、各設定をします。

:[フィル]タブ

線の内側の色を塗りたいときはこのタブを選択します。

:[ストロークの塗り]タブ

線に色を着けたいときはこのタブを選択します。

(※[ストロークのスタイル]タブについては線のスタイルを設定する」)

:着色のタイプを選びます。
  • :色を着けない
  • :単一色
  • :線形グラデーション
  • :放射グラデーション
  • :パターン
  • :アンセット・・・クローンの設定に使います。

※ここでは(単一色)のみの説明になります。

:色の表現方法を各タブより選びます。
RGB:
赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の掛け合わせで全ての色を表現します。パソコンのディスプレイやデジカメの画像データなどはこの表現方法です。
HSL:
色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Lightness)によって色を表現します。
彩度は、255で純色、数値が下がるごとに濁っていきます。
明度は、255で白、128(中間)で純色、0で黒になります。
CMYK:
シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、ブラックの4色の掛け合わせで全ての色を表現します。(Kはkey toneの略)カラー印刷に使われる表現方法です。
InkscapeはCMYKをサポートしていない為、このCMYKの設定は擬似的なものとなります。
ホイール:
[HSL]のもう一つの設定方法です。感覚的に手早く設定できます。
CMS:
[ドキュメントの設定]ダイアログの[カラーマネジメント]でリンク設定したICCプロファイルを使用して色を設定できます。印刷用のCMYK画像を作るときに便利です。
:色を調整します。
  • [RGB]、[HSL]、[CMYK]タブの場合は、それぞれのスライダーをドラッグして動かすか、右側の窓に直接数値を入れます。
    スライダーを動かすか、数値を入れる
  • [ホイール]タブは、外側のドーナツ形状が色相で、ラインをドラッグして色相を設定し、内側の三角の中にある小さな丸をドラッグして明度と彩度を調整します。色相設定のラインに平行方向に動かすと、彩度を調整でき、垂直に動かすと明度を調整できます。
    色相のラインをくるくるとドラッグして色相を決める/小さな丸をドラッグして明度と彩度を決める
  • は透明度の設定です。
    数値が小さくなるほど透けていきます。

    透明度の設定については下記「:不透明度を変更する」もご覧ください。

:16進数の色コードで指定する

色を16進数の色コードで指定する場合は、ここに「6桁の色コード」+「2桁のアルファ値(透明度)」を直接入力します。
透明度なし(アルファ:255)は「ff」で示します。

例えば、透明度なしの黒は、色コード:000000、アルファ値:ffで、「000000ff」になります。

:ぼかしをかける

ぼかしの度合いはスライダーで調整するか、直接数値を入力します。
フィルとストロークの両方にぼかしがかかります。

:不透明度を変更する

スライダーで調整するか、直接数値を入力します。

カラーバー()の(アルファ値)との違いは・・・

  • 不透明度バー()の場合
    フィルとストロークの両方同時に設定します。
    下記の例では、緑の矩形を選択後、不透明度:50%に設定しました。
  • カラーバー()のアルファ値の場合
    フィルとストロークを別々に設定します。
    下記の例では、緑の矩形を選択後、[フィル]タブのみを150に設定しました。
自己交差しているパスのフィル設定

パスが自己交差している場合、を選択すると、交差している部分に穴があき、を選択すると、全体的に塗りつぶされます。

カラーパレットを使って色を設定する

画面の下部のカラーパレットで色を設定します。
カラーパレット

  • オブジェクトを選択してからパレット上の色をクリックすると、フィルの色に設定できます。
  • パレットの色をつかんでオブジェクトの上にドラッグすると、フィルの色に設定できます。
  • 上記2点を[Shift]を押しながら行うとストロークの色に設定できます。
  • 右端のをクリックするとリストが表示され、カラーパレットの表示のしかたと、スウォッチ(色見本)の種類を選べます。初期状態では『Inkscape default』というスウォッチが選択されています。

スウォッチを使って色を設定する

メニューバーの[表示]メニューより[スウォッチ]を選択すると[スウォッチ]ダイアログボックスが開きます。
使い方は上記のカラーパレットと同様です。

右上のをクリックすると、ポップアップメニューから、ダイアログの表示方法(リスト/グリッド/サイズ/幅)とスウォッチの種類を設定できます。

スタイルインジケーターで色を設定する

各部の役割と設定のしかた

画面の左下の方に『スタイルインジケーター』というものがあり、選択中のオブジェクトのフィルとストロークの情報を示しています。
スタイルインジケーター

フィルの色を示します。
  • クリックで[フィル/ストローク]の[フィル]タブが開きます。
  • スクロールボタン(マウスの中央ボタン)でクリックする度に、「塗りなし」-「」と順に切り替わります。
  • クリックでポップアップメニューを表示します。
ストロークの色を示します。
  • クリックで[フィル/ストローク]の[ストロークの塗り]タブが開きます。
  • あとは上記のフィルと同じです。
ストロークの幅を示します。
  • クリックでポップアップメニューを表示し、幅などを選択できます。
透明度を示します。
  • [O:]の上をスクロールボタン(マウスの中央ボタン)でクリックすると、数値が「0」-「50」-「100」の順に切り替わります。
  • 右端の上下の三角の上をスクロールボタン(マウスの中央ボタン)でクリックすると、数値が10単位で増減します。
スタイルインジケーターで色を調整する

オブジェクトを選択後、スタイルインジケーターの色をつかんで右上にドラッグすると色が変わります。
ドラッグする角度によって色相を変更することができます。
スタイルインジケーターのおもしろい使い方
[Shift]を押しながらだと、彩度を変更でき、
[Ctrl]を押しながらだと、明度を変更できます。

スポイトツールを使って着色

ドキュメント上のオブジェクトやインポートした画像などの色に着色したい時は、ツールボックスより(スポイトツール)を選択すると便利です。
スポイトツールを選択
使い方は、着色したいオブジェクトを選択した後、(スポイトツール)に切り替えて、好きな色の上をクリックするだけです。

[Shift]+クリックで、ストロークを着色できます。
[Shift]+クリックで、ストロークを着色

不透明度の扱いについて

ピックアップしたい色の不透明度が100%でない場合(つまり透けている場合)、不透明度の扱いをどうするかツールコントロールバーの[採取][割り当て]ボタンで設定できます。

  • 両方OFFのとき:不透明度を考慮に入れずに見たままの色を設定します。(元の色に透明度を乗じた新たな色が設定されます。)
  • [採取]をON[割り当て]をOFF:色だけがピックアップされ、不透明度は100%に設定されます。
  • [採取][割り当て]両方をON:色と不透明度の両方ピックアップされます。

『新規オブジェクトのスタイル』を変更する

新規オブジェクトの初期設定の色を変えておく方法です。

初期設定では、(矩形ツール)で矩形を描くと、フィルは常に青、ストロークは常に黒で描画されます。
同様に、その他のシェイプツールやパスツールでも、新規に作成したオブジェクトには常に同じスタイルが設定されます。これは、『新規オブジェクトのスタイル』として、それぞれのツールに色や線幅などのスタイルがあらかじめ設定されているためです。

この『新規オブジェクトのスタイル』を変更する方法です。
例として(矩形ツール)で変更してみます。その他のツールの場合も基本的には同じです。

  1. まず、ツールボックスより(矩形ツール)に切り替え、ツールコントロールバーの右端に表示されている色の表示枠の上をクリックします。
  2. Inkscapeの設定]ダイアログの[矩形]の項目が開きます。
    • [最後に使用したスタイル]()にチェックを入れると、最後に設定したスタイルが、次に作るオブジェクトのスタイルに適用されます。
    • [このツール独自のスタイル]()にチェックを入れ、[選択オブジェクトから取り込み]()をクリックすると、現在選択中のオブジェクトのスタイルが取り込まれ、新たに矩形を描く時には常にこのスタイルが適用されます。

HOMEへ  このページのトップへ

inserted by FC2 system